時の流れのように…


仕事中、机の上で缶コーヒーを倒した。


しまった!と思ったときは時すでに遅かった。


缶が倒れる音は決まって「ポチョ〜ン」とか「ポヨ〜ン」だ。


水分が入ってちょっと重い、でも飲みかけで少し軽い、そんな音だ。


偶然にも静まっていた職場には、缶の倒れる「ポチョ〜ン」の音が流れる。


「あいつ、コーヒーこぼしやがった…」というような少し悲しい冬の空気が流れる。


コーヒーが机に流れる。


ゆっくりと時間も流れる。


時の流れに身を任せ、時間が流れるのを静かに待った。