シュート打て!


会社に到着して、座席にすわると向かいから上司がやってくる姿が視界に入った。


まさか、「きのうのスイスよかったよ。スイス応援することにしたよ」とか言うんじゃないだろうね?


なんて思っていたら、上司がこう言った。


「きのうのスイスよかったよ。スイス応援することにしたよ」


すげえ、これが入試だったらその場で合格だ。


そんなことはいいんです。


そう、実は上司が視界に入る数秒前からぼくはお腹が下り始めていて


立ち上がってトイレへ行く(ペナルティエリアに入ってシュートを打つ)決心を固めたところだったのです。


ここで、いつものようにワールドカップの試合について会話し出すわけにはいかないのです。


しかし、上司は「今夜の試合はどこだっけ?」とか「スイスはほんとすばらしい」とか始まった。


会話をしていると、どんどん人がやってきて各グループを展望しはじめた。


今のぼくにはワールドカップよりW.C.ですよ。


徐々に、ぼくはシュート体勢が崩れ、ゴール前でパスをだしてしまった。


「スイスは欧州予選のようないい展開ができてましたよね〜」


しまった。きのうの試合をあまり見てないのに、知ったかぶってしまった。


ゴール決めるどころか、エンジェルパス出してしまった。


どうにもシュートが打てない間に、第4の審判がライン際にきてボードに「1」を掲げた。






ロスタイム1分!!!







時間がない!


仕方ない、ちょっと遠目からシュート打っちまうか。


いや、もう少し切れ込んでからじゃないと枠に入らない。


あきらめかけた瞬間、安西先生が現れた。(ば、バスケ?)



「あきらめたらそこで試合終了だよ」



「あきらめたらそこで試合終了だよ」



「あきらめたらそこで試合終了だよ」



「あきらめたらそこで試合終了だよ」








安西先生…。


ウ○コがしたいです…。